死神のキョウ

死神のキョウ (一迅社文庫)

死神のキョウ (一迅社文庫)

 
 最初から最後までコメディで通せば良かったのに。前半は面白いけど、後半がすべてを台無しにしてます。
 恭也とキョウの掛け合いは面白い。恭也が死なないことを知っているが故に、事あるごとに日本刀で恭也を斬りまくるキョウのSっぷりは凄く面白かったですし、自らキョウの地雷を踏みにいく恭也のMっぷりも笑えました。他にも克己や黒峰委員長など個性的なキャラが登場していた前半は、ドタバタとした学園コメディが成立していて面白かったのになあ。それが、何故あんな展開になってしまうのか。
 シリアスな物語にしたければ、最初からある程度シリアスな雰囲気をつくっておくべきだと思います。まあ、いきなり話の路線を変更する物語も珍しくはないですが、いくらなんでも急に変更しすぎです。正直話を読んでいて、ぽかーんとなったのは久しぶりです。一体どこでフラグが立っていたのか知りませんが、セクハラバレー中に、あんな展開はちょっと……。
 非常にもったいない物語だったと思います。