ウェスタディアの双星(3)

 キャラの描写が弱いような気がしますが、話のテンポが良く手軽に読むことができるので、お気に入りのシリーズになっている宇宙戦記シリーズの第三巻。
 この巻では、万騎将の地位まで上り詰めたバドエルが下級貴族のレデーナに一兵卒と勘違いされ、身分を偽って海賊退治をするのですが、他の国と戦争ばかりしていたバドエルたちにとっては、初めて国内の情勢に目を向ける機会となった巻だと思います。
 しかし、海賊相手ということで、艦隊戦はいつもより見栄えするものではなかったですし、物語の展開も一巻の方が丁寧に構成されていたように思えます。どなたの記事だったか覚えていませんが、電撃文庫の連載を見切る巻数が大体3巻ぐらいという記事を読んだことがあるので、このシリーズは三巻目でこんな話をしていて大丈夫なのかなあと思ってしまいます。本格的なスペースオペラを読みたい人には、あまりお勧めできませんが、不思議と登場人物たちの活躍を読んでみたいという気持ちになるシリーズなので、個人的には続いて欲しいんですけどね。
 チェザーリがルシリアに今後の政策を問われた時に言っていましたが、今後は二大強国に対抗するため、三国志のような展開になっていくみたいです。今は結束力が弱く、まとまりのない緩衝地帯の国々をチェザーリとルシリアが、どうまとめていくのか楽しみにしたいです。