傷物語

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

 暦と委員長、忍野、そして吸血鬼との出会いを描いた話。
 これで、なぜ暦と委員長とくっつかないのか不思議である。女子にあれだけのことをして責任を取らない暦も暦だが、委員長もまた恐ろしい子だ。出会って間もない男子に対して、あんなことやこんなことをするなんて信じられん! 暦の発言や行動はグレーゾーンを通りこして、一発で犯罪モノなのにどうして了承してしまうのか? 委員長も変態なのか?
 さて、本の内容の方ですが、馬鹿な掛け合いは所々あったものの、化物語と比較するとそれほどなかったのが少し残念でした。暦と各話のヒロインが繰り広げる言葉遊びは最高に面白かったので、期待していたんですけれどね。ラストは、傷物語というタイトル通り、大団円と言えるようなものではなかったですが、読み始めたら化物語同様、一気に読み終えることができる面白さなので、前作を読んだことがある人はぜひ買うべきだと思います。
 あとがきには、書き残したことがないほどに書きつくさせていただいたと書いてありますが、まだ委員長が猫化する話が書かれていないので、また新作が出ることがあるのかもしれません。期待していたいと思います。