ツァラトゥストラへの階段

 扉の外でデビューした土橋真二郎さんの新シリーズ。
 人間同士が争うゲームを通じて人間の深層心理を暴く展開は、扉の外とあまり変わりませんでしたが、このシリーズではゲーム性を重視しているのか、扉の外ほどキャラ同士の感情のぶつけ合いはなく、ドロドロとした雰囲気は感じませんでした。また、扉の外では、生徒たちが強制的にゲームに参加させられて争う形式になっていましたが、今度は、プレイヤーがランク分けされていることで、弱者だけでなく、強い立場の者たちの争いも書いていくみたいです。まあ、強者同士の争いもやっていることは弱者同士のものとあまり変わらないのですが、プレイヤーの装備をそろえていく上で株式のシステムを扱っていたのは、面白かったと思います。扉の外とリンクしているかは分かりませんが、生徒たちが争っていたのを、他の誰かが見て賭け事をしていた可能性が出てきたので、扉の外で書ききれなかった部分を、こちらのシリーズで補正していく形になっていくのかもしれません。
 扉の外は、このラノでもランクインしてましたし、このシリーズがどんな展開に発展するのか、注目していきたいと思います。