クダンの話をしましょうか

クダンの話をしましょうか (MF文庫J)

クダンの話をしましょうか (MF文庫J)

 これは合わんと思っていたら、この本の作者さんは「神様のおきにいり」の人だったんですね。ああ、どうりで合わないわけだ。
 物語の内容は、よく分かりません。「神様のおきにいり」の感想にも書いたと思いますが、本を読み終えても、この作者さんの意図がさっぱり分からないのです。クダンは、相手の未来を予言すると、自分の存在が相手の中から消え、相手との縁が金輪際なくなるという悲劇を背負っているように書かれていましたが、一話一話に説得力が感じられず、心揺さぶられることはありませんでした。
 物語には、主人公であるクダンをはじめ、数多くのゲストキャラが登場するのですが、キャラ同士の交友が凄く薄っぺらいのに、物語の結末が異様に早いのです。というか、ラストにつながる伏線や重要な場面を省略しすぎだと思います。二章の話は、まだクダンとゲストキャラに交友があったので、それほど違和感はありませんでしたが、三章とか敵が屈するのが早すぎると思います。パソコンの画面を見ながら、ドッペルゲンガーの正体を暴いてやると勢い込んでいたのに、20ページぐらい後ではクダンに説教されて、あっさり敗北。これはいくらなんでも決着がつくのが早すぎる。一章も訳の分からないまま、終了してしまいましたし、結局何がしたかったのか分かりません。
 おそらく、シリーズとして続いていくのだと思いますが、もう買うことはないでしょう。
 この作家さんの作風は自分には合わない。