薔薇色にチェリースカ

薔薇色にチェリースカ (集英社スーパーダッシュ文庫)

薔薇色にチェリースカ (集英社スーパーダッシュ文庫)

 人語を話し、人に変身できる蛇がヒロインの海原零の新作、薔薇色にチェリースカ。
 うーん、まさか蛇相手にどきまきする日が来ようとは!
 人型の状態がスタイル抜群で絶世の美女、そんな相手が蛇型の時は、真っ裸で四六時中肌に触れているとなれば、主人公のヒロがチェリースカのことを意識してしまうのは仕方がありません。まあ、実際はヒロの命をいつでも絶てるようにチェリースカが監視しているだけなので、喜んでばかりではいられないのですが、そんなヒロの気持ちを知ってか知らずか、自由に振舞うチェリースカにヒロがやきもきしたり、ヒロが怒ってたまに上下関係が崩れるところなど、ヒロとチェリースカのやりとりは面白かったと思います。
 ただ、正直ストーリは微妙。校長の手先として学園に送り込まれているため、ヒロが他生徒に嫌われるのは仕方がないことかもしれないですが、いくら国粋主義的な国だろうと、平気で生徒同士が殺しあったりするのはどうなのだろうか。優れた生徒で構成されている優生会もやっていることはただのイジメだし、なんか一昔前の少女漫画を読んでる気分です。
 なぜチェリースカは狙われているのか、なぜ校長が学園を忌み嫌うのか、またヒロの両親の死など、謎も多かったですし、登場人物や世界観の紹介ということもあって地味な幕開けだったので、とりあえず二巻に期待したいと思います。