時載りリンネ!

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)

 時を止めることができる「時載り」の少女リンネと、幼馴染の少年久高が送るちょっと変わった夏休みの話。
 序盤こそ、ちょっとだらだらしている部分もありましたが、物語の本題が明かされていくにつれて、進行速度もペースアップしていきましたし、読了後の清々しさは最高に良かったと思います。中盤にゴスロリとかネコミミなどのいらないシーンがあったり、ラストバトルは超人設定のせいで、やけにあっさりしていましたが、リンネが「時の旋法」を手にしてからラストまで一気に駆け抜けた感じが最高に気持ちよかったです。
 「私はいつだって今ここにい続けてきたわ」などの台詞のように、12歳にしてはリンネは考えすぎなんじゃないかと、思う部分が結構ありましたが、時載りと人間との間には大きな違いがあることを、リンネのコンプレックスを通して作中で何回も説明していましたし、逆に幼いからこそ大人では簡単に納得することのできない考えを思いつくことができるんじゃないかと、今は納得しています。
 うーん、もっとこの作品について良い表現ができたらいいのですけど、自分の語彙力が足りないので面白かったとしか言いようがありません。うん、面白かった!
 続きが出るか分かりませんが、期待して待っていたいと思います。