とらドラ!(5)

とらドラ! (5) (電撃文庫 た 20-8)

とらドラ! (5) (電撃文庫 た 20-8)

 前回は、ようやく竜児と美乃梨に進展が……!? という感じで終わったので、美乃梨派の自分にとっては、まさに予想を裏切られる展開の連続でした。いや、美乃梨が竜児のことを微妙に意識しているように思われるシーンがありましたが、今回は文化祭や大河の父親関連など、コメディとシリアス要素が強かった分、恋愛方面に動きがあんまり見られなくて少し残念でした。
 まあ、文化祭を前にしてゆり先生が暴走したり、福男対決で思いもしなかった熱い展開が待っていたりと、恋愛要素が少なくても、楽しめるのがこのシリーズの良いところだと思います。ただ、終盤における大河の「私は一人でも生きていけるから」という思いに、嫌な引っかかりを覚えてしまいました。
 いや、その後のキャンプファイヤーで、大河の気持ちもある程度は解消されたとは思いますが、竜児と美乃梨の燃える展開の後に出てきた諦観めいた心情だけに、大河が恋愛等を放棄しているように思えて、かなり不安な気持ちになってしまいました。まあ、自分の杞憂ならいいですけど。
 今回で、それぞれのキャラの気持ちや状況に整理をつけたようですし、6巻から恋愛要素が強まってくるのでしょうか。大河、美乃梨、亜美、誰がどう動くか気になるところです。