嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)

　最終選考のときに、物議を醸し出した問題作と聞いていましたが、結論から言わせてもらうと、自分はこういった話はあまり好きじゃないし、純粋に話を楽しむことができるかと問われると、難しいとしか答えようがない。主人公と精神科の先生や女刑事との会話はテンポが良かったし、素直に楽しめたけど、ほかに良かった点をあげることができない。
　ラストの展開には、すっかり騙されてしまったけど、主人公の口癖である「嘘だけど」のせいで、途中まで主人公が何をしたいのかさっぱり分からなかったし、主人公のキャラ自体も軽くなってしまったのが、個人的にマイナス。ヒロインもぶっ壊れキャラにしては、結構普通だったのが残念。まあ、最初から主人公にメロメロになってしまったので、壊れ具合がデレに隠れてしまったというのもあるんだろうけど、カバー裏のように、作中も暴れてほしかったなあ。
　出来が悪いわけじゃないし、面白くないわけでもない。ただ、自分のアンテナには何も引っかからない作品でした。