世界平和は一家団欒のあとに(2)

 一巻は、物語の馬鹿げた設定と、星弓家の紹介で終わってしまった感じがして、なにか物足りないなあという印象が強かったですが、今回はとても満足のいく作品でした。個人的には、もっと台詞まわしを増やして、コメディ路線に突っ走るのかなあと思っていたのですが、まさか演出面で勝負してくるとは。
 ロボット、ボンテージファッション、高笑い、無駄にテンションの高い親玉、要素要素は凄く古臭くて、ベタなものばかりなんですが、物語の過程をしっかりと描いているからこそ、序盤にしかけられた伏線や小ネタが活きてきたように感じましたし、じわじわと笑いがこみあげてきて面白かったなあ。特に、軋人のラストバトルの演出は凄く良かったと思います。正義の味方が悪の親玉の復活を喜んでいる場面なんて、滅多に見られないと思います。
 柚島さんも前回よりも軋人と絡むようになってきましたし、ヒロインの座を確立しつつあるようです。ただ、登場人物が多いせいもあって、登場させる必要性を感じないキャラがいたのが少し残念でした。
 今回の様子からするとハートフルコメディで貫き通していくようですし、今後も継続して読み続けていきたいです。