学園カゲキ!

学園カゲキ! (ガガガ文庫 や 1-1)

学園カゲキ! (ガガガ文庫 や 1-1)

 第一回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作。
 ファンタジーとか、ミステリーとか、作品を読む時の目安として、その作品のジャンルって結構重要だと思うのですが、この作品はジャンル分けに失敗していると思うし、作品の面白さを読者にアピールできるものがないと思います。青春ドラマをやりたかった、というのは伝わってくるんですが、それにしては物語の展開が早すぎると思います。特に主人公とヒロインが互いに惹かれあっていく過程が全くといっていいほど書かれていないのは、青春ドラマとしてはまずい気がします。次の章にいったと思ったら、二ヵ月後、主人公とヒロインは互いを意識するようになっていた、といきなり言われてもなあ。その二ヶ月の間に、二人に何が起こったのかきちんと書いて欲しかったです。
 学園全体が舞台、という突拍子もない設定を生かしきれてなかったですし、章ごとの時間が大きく異なるせいで、前の章でつくられた流れが切れてしまって、物語のテンポが悪くなっているように感じました。物語をきちんと完結させたところが評価されたのかもしれませんが、自分には合わなかったです。