刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)作者: 西尾維新,竹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/01/10メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 103回この商品を含むブログ (261件) を見る

 父と一緒に島に流されてから二十年、刀を使わない剣術「虚刀流」の修行に明け暮れていた七花は、父の後を継ぎ、虚刀流の七代目当主になっていた。だが、父が亡くなった後も、七花は島から出ようとせず、姉の七実とごく平凡な生活を送っていた。そんな七花のもとに、幕府からとがめという女がやって来る。彼女は、七花に伝説の刀鍛冶、四季崎の鍛えた刀の蒐集を手伝って欲しいと依頼しにきたのだ。
 だが、七花は二十年間、人の出入りがなかった孤島で暮らしていたため、名誉や出世、金などに全く興味がなかった。そんな七花を説得するため、とがめはある条件を七花に突きつけた――
 「鑢七花。わたしに惚れていいぞ」


 ……なんか物足りない。おとなしい。おとなし過ぎるスタートですよ、これは。
 12ヶ月連続刊行の第一巻ということもあって、主人公の「七花」と「とがめ」の紹介、七花が扱う虚刀流の説明、とがめの目的など、今巻は物語の土台を整えている印象が強かったです。そのせいか、戦闘シーンなどの見せ場もいまいち盛り上がりに欠けていたように思えます。
 残り十一本の刀がどんなものなのかとか、次はどんな変人が登場するのかとか、注目すべき点が多々ありますが、やっぱり一番気になるのは、七花ととがめの関係がどうなっていくのかですね。虚刀流に強い因縁をもっているとがめが、七花とどう絡んでいくことになるのか、注目していきたいと思います。
 本格的に面白くなっていくのは、これからなのだろうけど、今巻はちょっと地味でした。来月に出る二巻に期待したいと思います。