戦う司書と追想の魔女

戦う司書と追想の魔女 (スーパーダッシュ文庫)

　戦う司書シリーズも、早５冊目。
　いやあ、相変わらず面白いなあ。序盤に謎が与えられ、ラストに怒涛の勢いで真相が明かされるという手法は、毎度のことですが、綿密にプロットを組んでないとこういうことはできないんだろうなあ。うん、読み始めたら、登場人物たちがどのように謎に関わっていくのか、気になって仕方がありませんでした。
　さて、物語の内容の方ですが、今巻ではハミュッツが三級武装司書だった頃の話が少し語られていましたが、ヴォルケンとフォトナの会話を聞いて、マットアラストたちが和んでいる場面で一人だけフォトナを嘲笑したり、敵の策を見破っておきながら、自分が楽しむために放置したりと、昔も今と変わらず極悪非道ぶりを発揮していました。終盤の戦闘でも、相手を殺せる場面なのに「ただ右端から壊していこうという、軽い気持ち」って……なんだこの余裕は。
　でも、だからこそ、今巻の一番の見所は、ハミュッツの心の動きにあったと思います。世界最強の武装司書が、何に恐怖し、何に動揺したのか。これ以上はネタバレになるので書きませんが、今回も本当に面白かったです。
　ラストで第三勢力が動き出す描写があったので、このシリーズも佳境に入ってきたのでしょうか？　ハミュッツの過去とか、まだ明かされていない謎とかありますが、意外に早く終わるかもしれないなあ。
　次巻も凄く楽しみです！