オオカミさん七人の仲間たち

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

 昨日、二巻を先に読んでしまったので、物語の内容を少し知ってしまっていたけど、それでも十分に楽しむことができた。今巻の見所は、やっぱり亮士と涼子の出会いから信頼関係が芽生えるまでの展開だったと思う。
 対人恐怖性で視線恐怖症な亮士。そりゃあ好きな女の子に告白しても、付き合ってくれる人はまずいない。でも、そんな亮士でも、今までに告白された経験がなくて赤くなる涼子は、本当にいいキャラをしていると思う。りんごに亮士のことでからかわれて赤くなったり、ラブホの前で勘違いされて赤くなったりと、女の子らしい一面も見せてくれた。
 亮士も最後に漢らしい一面を魅せてくれた。「狩人だ!」の続きの台詞は、本当にカッコよかったけど、やっぱヘタレはヘタレなわけで――と、最後もにやりとさせられたし、読了後は、ほんわかした良い気持ちになった。
 序盤から中盤までギャグ、終盤に少しシリアスになって、最後はコミカルに締める。いいなあ。こういう話は実にイイ! シリアスな小説中に少しユーモアがある話も好きだけど、ギャグ路線で少しシリアスな展開がある話も好きだ。うん、ギャグとシリアスの割合がきちんと保たれていたと思う。いやー面白かった。
 二巻では、おつうさんの過去話がピックアップされていたから、三巻では魔女さんや、頭取、アリスの話が読めたらいいなあ。次巻は、発売したら即買おうっと。