オオカミさんとおつう先輩の恩返し

オオカミさんとおつう先輩の恩返し (電撃文庫)

オオカミさんとおつう先輩の恩返し (電撃文庫)

 ラノベリング内の多数のサイトさんで好評だったので購入してみた一冊。
 キャラの設定がいまいち分からないと思っていたら、これシリーズの二巻目だったんですね。そりゃあ、一巻を読んでなきゃ、キャラが掴めないのは当然だ。でも、今巻が連作短編形式だったおかげで、話数が進むにつれて、主要人物のキャラが掴めましたし、なにより一話一話に出てくるサブキャラの個性が強かったので、何も気にすることなく、キャラ同士の掛け合いを楽しむことができました。
 最初は、とっつきにくいと思っていた独特のモノローグも、読んでいるうちに慣れてしまいましたし、登場人物がモノローグにツッコミを入れる場面もあって面白かったです。他にも「だが、それがいい!」とか、ライトノベルだからこそできるギャグが、作中にふんだんに散りばめられていて、思わず笑ってしまう場面が多かったです。
 さて、物語の内容の方ですが、最初から第4編「おおかみさん桃ちゃんのきび団子に完敗する」の中盤まで、ずうっとギャグ路線だったので、物語最後の涼子と亮士の会話には、正直やられたと思いました。
 なんだ、ギャグばかりだと思ったら、この本はラブコメだったのか。この本は、ヘタレな亮士と強気な涼子、そして、亮士と涼子の間柄をからかって楽しむ腹黒なりんごの三人が、バカな仲間たちとワイワイ学校生活を謳歌しているのを、楽しむシリーズなのだ。女を××するために技を窮めた浦島、浦島を愛しているがためにちょっと強引な手段を使う乙姫、自身が風紀を乱す風紀委員桃といったサブキャラを含め、本当に面白い一冊でした。
 早く一巻を買いに行かねば!