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- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: 文庫
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読んだ。
泣いた。
09メンバーの死、明かされる真実など、どれも衝撃的なものばかりでしたが、一番の悲劇はボイルドとウフコックの決別だと思う。
真実を知ったウフコックに拒絶されてもなお、戦場に向かっていたボイルドの姿には泣かされた。
自分の大切なものを守るために戦い、得られた成果が虚無とは、あまりにも酷い。
仲間に裏切られ、社会に裏切られ、そして最後は自分のパートナーを裏切ることになったボイルド。全てを受け入れる覚悟をしていた男が、唯一恐れたのはウフコックの死であり、それを回避するために選んだ道が、こんな結末につながってしまうなんて、あんまりだ。
一巻を読み始めた時から、このシリーズが悲劇で終わることを予想していましたが、これは酷い、酷すぎる。予想だにしていなかった悲劇だ。
シリーズを読み通してみての感想ですが、マルドゥック・ヴェロシティは当分読み直したくないです。三巻を読んでからだと、一巻の未来に希望を持っていたボイルド達の明るい雰囲気についていけないと思います。でも、猛烈にマルドゥック・スクランブルを読み直したい気分になりました。今ならボイルドがウフコックと対峙し続けてまで、何故闘ったのか。そして、そんなボイルドの姿を見たウフコックが何を思ったのか、以前と違った感想が出てくると思います。