化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

 これは、面白い!
 キャラ同士の会話だけで、こんなに楽しめた本は久しぶりです。会話のテンポもさることながら、各章の登場人物の珍言に対する主人公の切り返しが、実にいい! あんなツッコミができるなんて、一体、どんな思考回路を持ってるのだろうか。
 物語は、主人公の阿良々木暦が春休みに自身が怪異に出会ってから、その後も次々と怪異に巻き込まれていくという連作短編形式型。なんか登場人物達の会話ばかりが目立ってしまっていたようにも感じましたが、「青春におかしなことはつきものだ!」という売り文句の通り、青春要素も結構含まれていたと思います。登場人物達が抱える悩みや、ふざけながらも時折見せる本音、主人公の恩人である忍野の台詞も意味深でしたし、青春の苦い部分を見せられたように感じました。
 阿良々木暦戦場ヶ原ひたぎ神原駿河とか変な名前の登場人物ばかりですが、名前の通り、皆変人です。そんな変人たちの中で、ツンデレを自称するヒロインの姿は、とても新鮮でした。しかも、それが演技なのか、単なる照れ隠しなのか、最後まで分からないのも想像をかきたてられましたし、異常に嫉妬深いところも面白かったです。 
 西尾維新さんの作品を読むのは初めてのことなので、よく分からないのですが、戯言シリーズもキャラ同士の掛け合いが面白いのでしょうか? うーん、気になるところです。
 戯言シリーズは、本が分厚くて開きにくそうだから敬遠していましたが、お金に余裕ができたら、買ってみようと思います。