ガンパレード・マーチ 5121小隊決戦前夜 (電撃文庫)

ガンパレード・マーチ 5121小隊決戦前夜 (電撃文庫)

 時系列でいくと、シリーズの第五巻にあたる熊本城決戦前夜。滝川と森、壬生屋と瀬戸口、刈谷と加藤など、カップリングの伏線が多く見られ、シリアスな展開の中でも青春要素が増えてきた巻でした。いつ死んでもおかしくない戦場だからこそ、隊員達にはこういう何気ないやりとりが大切なのだろうなあと、しみじみ思いながら読んでいました。
 第一話から第四話にかけて、徐々に戦況が悪化し、第五話「緒戦――5121小隊整備班」で、ついに熊本城決戦が開始。逃げ場はないし、増援もない。自分たちは、軍の上層部にとって替えのきく駒でしかない。それでも、生き残るために士魂号を死守する整備員達の姿が凄く熱い! どんな窮地に立たされようと陽気に振舞い隊員達を鼓舞する原、整備員テントに迫る幻獣達を次々と撃破する若宮と来須、他にも不慣れな銃を手に戦う整備員の面々の活躍が見られて凄く面白かった!
 いやあ、こんなに面白いノベライズ本を読んだのは初めてです。登場人物が多いにもかかわらず、きちんとそれぞれの個性や魅力が書かれていますし、視点が変化しても違和感なく読むことができます。続きを読むのが楽しみで仕方ありません。