素晴らしい出来でした。熱い! とにかく熱い!
 精鋭部隊である友軍は次々と撃破され、数少ない生き残りを守るために戦場を奔走する5121小隊。圧倒的戦力差に絶望しそうになりながらも、必死に生き残ろうとする姿に感動しました。
 パイロットだけでなく、整備班やオペレーターなど、総勢22名の小隊全員の魅力がしっかりと書かれていましたし、本当に良質の群像劇だと思います。
 熊本城決戦を生き延びた後のエピローグも凄く良かった。これぞ、友情。これぞ、青春。戦争さえなければ、彼らは普通の高校生として普通の生活を送っていられたのだろうなあと思うと、やるせない気持ちになりますが、最後の砂浜のシーンは本当に良かったと思います。
 ただ、惜しい点をあげるとすれば、終盤の戦闘で「精霊手」が出てきたのは、小説のみの人にはきつかったと思う。ゲームをやったことある人でも取得できない人もいたでしょうし。うーん、残念。でも、それさえ抜かせば戦争+青春を丁寧に描ききっている作品ですし、もう見事としか言い様がありません。
 シリーズも残すところ後四巻と、終わりが徐々に見えてきましたし、5121小隊の面々がどうなるのか楽しみです。