の鏡(2)

 前巻から三ヶ月ぶりの二巻。ハイファンタジーという謳い文句が使われてるだけあって、実に読み応えのあるファンタジーでした。
 ロナーの正体、王の現状、次々に登場する<骨牌>達と、序盤から掲示される情報の多いこと、多いこと。でも、普通なら設定を読まされている感じで嫌になってしまう部分も、読んでいて全く苦にならないほど面白かったです。
 王をないがしろにする政治家達の汚い面を目にしたり、異端の『十三』と蔑視されたりと、前巻以上にひどい目にあっているアトリですが、そんな環境の中でも、自分は一体何者なのかと、自己を模索していくアトリの姿が凄く印象的でした。
 物語の間に何度もぶつかりあっていたアトリとロナーの関係とか、<異言>の脅威とか、他にも注目すべき点が目白押しでしたが、今巻は物語の落としどころが凄い。このまま敵側が何もせずに終わるわけがないと思っていましたが、ラストにまさかあそこまでやるとは、思ってもいませんでした。
 この後、一体どうなるんでしょう? この終わり方で、9月まで待たされる身にもなってほしい! 続きも期待大です。