ドラゴンマガジンに掲載された「ランナウェイ!」、「聖夜と金貨とミミコのワイン」、「ネズミたちの夜」、「外よりきたる牙」、「特区の少年王」、「TONIGHT SALARY」に、書き下ろしの「古城の一夜」が加わった短編集、一体、本編のシリアス度は何処へいってしまったのかと思うぐらいギャグが満載の巻でした。
 その中で、個人的に「ネズミたちの夜」が一番気に入りました。やはり、元祖吸血鬼ネタと言えば、ホラーよりも哀愁漂う悲しい物語がベストかと。ギャグを二つ読んだ後だからこそ、余計楽しめたような気がします。
 「古城の一夜」はイブが健在だった頃の話で、ジローに嫉妬するカーサがとても良かったですと書くとギャグっぽいですが、内容は結構シリアスで、カーサに対する他の吸血鬼達の嫌悪感とか、自分にはイブしかいないというカーサの気持ちが伝わってくる物語でした。うーん、本編でカーサがイブの敵にまわってまで九龍側についたのは何故なのか、かなり気になるところです。短編集に手を出しかねている人には、かなりお勧め。この話のためだけだったとしても、購入する価値はあると思います。
 さて、6巻はいつになるのでしょうか? 次巻も楽しみに待っていたいと思います。