断章のグリム(1)

 Missingシリーズ、夜魔に次ぐ甲田学人氏の新作。
 Missingは痛い描写に耐えかねて9巻で読むのをやめてしまったのですが、怖いもの見たさで買ってしまいました。
 ……まあ、相変わらず凄い描写ですこと。僕は基本的に血がダメなタイプなのですが、今作は最初から凄いことになっていて、序盤からビクビクしていました。
 でも、物語の本筋の方は、魔術や奇異など全く知識のないものが中心だったMissingに比べ、今作では一度は読んだり聞いた事のあるグリム童話が関わってくる分、とっつき易かったように感じます。何年か前に本当は恐ろしいグリム童話も発売されていたこともあって、前知識はありましたからね。シンデレラに沿った今作が一体どんな展開になるのだろう、と凄く期待しながら読むことができました。
 主役の蒼衣と雪乃の行動動機もしっかりと書かれていますし、読みやかったです。今後は、他の登場人物達の背景を明らかにしていったり、蒼衣と雪乃の仲を描いていくのでしょうが、これ以上グロくならなければ続けて読んでいきたいです。
 やっぱり痛いのは嫌です。