ホワイトデー上等。

ホワイトデー上等。 (MF文庫J)

ホワイトデー上等。 (MF文庫J)

 バレンタイン上等。に引き続き二ヶ月連続の刊行となった上等。シリーズの三作目。

 鉄平はゆかりのために、ゆかりは鉄平のために、と二人とも互いの将来を思っているが故の喧嘩から始まった今作。前作は、ゆかりがマイナス方面に考えていただけに、今回の二人の衝突は、かなり熱いものがありました。ラストの鉄平の台詞も凄いカッコ良かったですし。
 2巻から登場してきた文七や曜子といった脇役達も、それぞれ見せ場があって面白かったです。特に文七が教師に意見した時の台詞は印象的でした。鉄平もゆかりも頑張ってたんだなあ、と忘れかけていた二人の環境の違いを思い知らされる台詞でした。
 物語の締めは、いつもとは少し違う展開ではありましたが、幸せな終わり方でした。……羨ましい。
 疾走感と熱い展開が売りのシリーズ、次回はどんな話になるのか凄く楽しみです。
 最後になりますが、この物語の世界設定は一体どうなっているのだろうと思うのは、野暮というものなのでしょうね。