BLACK BLOOD BROTHERS (5)

 毎回のように最初の2ページに震わされましたが、今回の衝撃はその中でも一番大きかったです。今までは内容がひどく抽象的だったのに、今回は最初の2ページを読めば先の展開が分かるという爆弾モノ。
 そして、その通りにミミコ達の日常は、どんどん崩れていったわけですが、読み終えてみて、このシリーズの売りは“燃え”なのだと再認識しました。いやあ、今回も熱い。特に終盤のミミコが立ち直るシーンは最高の一言。別に派手なシーンではないのですが、ミミコの心に小さな火が灯って、ゆっくり静かに燃え上がっていく感じがして、凄く震えました。
 今作は第2部の始まりに当たるらしく、ミミコやジローなどの主要人物よりも周囲の脇役達の動きを中心に据えているので、説明文や伏線が多いですが、それでも十分楽しめる作品でした。 
 でも、もっと楽しむには短編を読んでおいた方が良かった気がします。5巻は3巻から一気に一年時間が飛んでいるので、作中で語られている一年が凄く気になります。それに、短編を読んでいれば、ミミコの日常が壊れていくシーンは、もっと衝撃が強かったでしょうし。
 富士見の短編シリーズは、コメディー色が強いので、今まで避けていましたが、これならBBBの短編だけ買っておけば良かった……今更後悔しても仕方が無いことでしょうけど。

 とにかく今後も目が離せないシリーズです!