紅牙のルビーウルフ2 面影人魚

 春に山々を切り開いて海につなぐ計画を立てていたルビーウルフのもとに、ミレリーナから知らせが届く。
 ――5つ目の神具、<全知の書>が見つかった。
 知らせを受けたルビーウルフは、早速ジェイドとフロスト、ケーナを引きつれ、隣国のトライアンに旅立つ。
 ミレリーナに迎えられたルビーウルフは、<全知の書>を所持しているキアラと名乗る少女に紹介されるが、ルビーウルフはすでに嘘の匂いを嗅ぎつけていた。
 全知の書は本物なのか?
 キアラは何者なのか?
 後手にまわることを余儀なくされながらも、ルビーウルフは謎に立ち向かっていく。


 第17回ファンタジア長編小説大賞<準入選>作、紅牙のルビーウルフの続巻。
 

 第17回ファンタジア長編小説大賞の中で、一番気に入った作品の続きという事で迷わずに買いました。
 前巻がきれいな終わり方をしているだけに、今回はどんな感じになっているのだろうと思っていましたが、今回も面白かったです。
 前作同様テンポはいいし、登場人物達も魅力的に書かれています。特に狼のフロストやケーナのように、動物に対して感情移入できる作品はそうそうないと思います。
 ただ、主人公のルビーウルフの魅力は、前作よりも下がってしまったように思えます。やはり明確な敵対者がいてこそ、ルビーウルフの魅力は発揮されるんじゃないかあ。

 次巻は、どんなふうになるか分かりませんが、出たらまた買いたいと思います。