お留守バンシー (電撃文庫)

お留守バンシー (電撃文庫)

 19世紀中頃、東欧の片田舎に風変わりなお城がありました。
 どこが変わっているかと言うと、そのお城に住んでいるのは、みな人外の者達なのです。
 世話好き妖精バンシーのアリアも、召使として城主のブラド卿に日々仕えていました。
 ある日、ブラド卿は諸事情により身を隠さなければいけなくなり、アリアに留守を任せ旅立ってしまいます。
 主人の前では張り切ったものの、残されたアリアには少し不安がありました。
 ガーゴイルのセルルマーニはペンギンだし、リビングデッドの庭師フンデルボッチは喋れないし、デュラハンのフォン・シュバルツェンはお調子者だし、サキュバスのイルザリアは悩んでいるし――
 一癖も二癖もある仲間達とともに城に残されたアリアは、無事に留守ばんを果たせるのか


 第12回電撃小説大賞《大賞》受賞作、お留守バンシー
 

 これはいいですね。面白い!
 アメリカにホーム・アローンという留守番をテーマにしたドタバタコメディ映画がありますが、こちらは、ほんわかコメディ。
 まだ読んでいない新人作がありますが、この作品が大賞を取れたのはエンターテイメントを重視したからなんでしょうね。実にライトノベルらしい作品でした。
 登場人物達は、皆魅力的で、ファンタジーでお馴染みのモンスターにも、まだまだこんな使い方があったのだなあとしみじみと思いしらされた感じです。
 
 続巻が出るようなので、次回からはもっとキャラクター一人一人にスポットを集中させて欲しいなあと思います。
 次回作は即買い決定です。