ぺらぺらーずが活躍している新ソード・ワールドRPGリプレイ集NEXTシリーズは、いつも購読しているので、短編集と聞いて即買ってみましたが、読んでいてもいつものような面白さはありませんでした。

 何故か? 答えはすぐに出ました。

 今回の短編集は、北沢慶氏、藤澤さなえ氏、清松みゆき氏の三人が、それぞれ独自の視点でぺらぺらーずを書いているからです。

 元々、このリプレイ集はGMの藤澤さんが書いたシナリオに沿って、5人の人物がキャラクターになりきって演じているのを書いたもの。当然、5人のキャラクターは独自の考えをもっているわけですから、プレイをしている当事者達も予想のできない展開が生まれるわけです。
 実際リプレイ集では、GMの藤澤さんの思い通りにならない場面が多々あります。

 盗賊のクレスポは下手をするとすぐに死んでしまうのに、常に危険な行動をとったりしていますし、ソーサラーのベルカナは巻を重ねるごとに腹黒になっていったりと全く予想がつきません。

 きっと僕は今回の短編集でも、そんな予想のつかない話が読みたかったのだと思います。

 ですが、今回は1人の作家が、個々のキャラクターに対して持っているイメージを小説に投影しているのですから、キャラクター達に対して何かいつもと違うと思ってしまったわけです。
 善人のマロウ「あいつら」とは発言しません。クレスポが思案することも滅多にありません。
 なんかこう魚の骨が喉につっかえている感じなんです。

 まあ、本当はキャラクター達がいつもと違うことを覚悟で買わないといけないのかもしれませんが、リプレイ集を読み始めたのはこのシリーズが初めてだったので、よく分かっていませんでした。

 ただ、最初のクリティカル・クリミナルではクレスポが何故ロマールに出てきたのかが書かれていているので、リプレイ集を購読している人は楽しんで読めるかもしれません。

 初見の方は、リプレイ集を読んでからの方がいいと思います。

 これが面白いと思ったら、リプレイ集は現在5巻まで発売されているので、読んでみてはいかがではないでしょうか。