渚フォルテッシモ

渚フォルテッシモ (MF文庫J)

渚フォルテッシモ (MF文庫J)

 魔海から出てくる魔物を退治するという目的が物語の中心にあるみたいですが、どちらかと言うとストーリー性を楽しむというよりも、渚と大地の会話や、渚の大地に対するツンデレな態度だとか、キャラ同士の掛け合いを楽しむことが主な感じの一冊。
 冴えない主人公に、学校一の美少女が惚れてしまうという展開はよくあることですが、浜森高校一の美少女、麻生渚が好きになってしまったのは、UMA大好きで周りから変人と認識されている山ノ上大地。最初は、大地のことなどまるで相手にしていなかった渚が、大地と交流し続けていくにつれて、徐々に大地に惹かれていく様子は、よくあるパターンだと分かっていても、素直に面白かったです。
 あと、自分の気持ちに否定的な渚とは対照的に、大地に積極的にアプローチをかける朱里も良い味を出していたと思います。大地のことが好きだと、渚に公言しちゃってますし、今後、三人の関係がどうなるのか楽しみです。
 ただ、ラストの戦闘で大地の右手に宿っている羅針盤がいきなり万能になっちゃったりと、ラブコメ方面から魔物退治中心の展開になると、物語の粗が目立ってしまうのが残念だったと思います。
 どうやら続きが出るみたいなので、これからはラブコメ方面に突っ走って欲しいなあ。正直、戦闘シーンはない方がいいと思います。