ガンパレード・マーチ episode ONE (電撃文庫)

ガンパレード・マーチ episode ONE (電撃文庫)

 ――人類の敵・幻獣との戦いで部下を全滅させられた善行忠孝は、日本防衛の切り札として人型戦車・士魂号を主兵器とした部隊の編成を計画する。だが士魂号との遺伝的適性を基準に、戦車学校に集められた速水厚志をはじめとするパイロット候補達は、いずれも問題児ばかり。果たしてパイロット候補達は無事、士魂号を乗りこなせるようになるのか――


 時系列で言えば、今巻がシリーズの一番初めの話。
 第一話の「邂逅」では、5121小隊に続々と集まってくる隊員達の不安、二話の「教官の憂鬱」では、戦場に出陣する隊員達を見送ることしかできない教官達の苦痛が丁寧に書かれていました。
 三話の「憧れのPanzer Lady」は、パイロットの滝川を中心に書かれていて、今までののんびりとした学生生活から一変して、隊員達を待ち構えている過酷な現実が垣間見える話でした。
 四話の「士魂号到着!」では、整備員の面々がようやく合流。戦闘員だけでなく、整備員達の活躍が描かれるのも、このシリーズの醍醐味だと思います。まあ、この話では、流石だよ、原さん! としか言い様がないですが、整備員が本領を発揮するのが実に楽しみです。
 ここから、熊本城決戦、九州撤退戦と物語は大きく広がっていくわけですが、最初は問題ばかり起こしていた隊員達が反発しあいながらも、徐々に成長していく様子は読んでいて凄く面白いし、続きが大いに期待できる第一巻となっていました。