七王国の玉座(3)

七王国の玉座〈3〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

七王国の玉座〈3〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

 毎月、文庫化されているシリーズの三冊目。前巻は子供達を中心に書かれていましたが、今巻は大人達が中心の話です。『王の手』の暗殺や、開戦の予兆といった様々な陰謀が見え隠れする今巻ですが、物語の語り手となる登場人物がころころと変わるため、一体誰が嘘をついていて、誰が真実を口にしているのか全く分かりません。
 ジョージ・R・R・マーティン氏の作品を読むのは、このシリーズが初めてなのですが、氏は物語の落とし所をかなり心得ておられると思います。前巻、子供達の成長という明るいパートを見ていただけに、今巻のじわじわと不気味に進行する闇のせいで、子供達に降りかかるであろう災難が怖くて想像できません。うーん、あんまり登場しないキャラにも、いつの間にか感情移入させられてしまっている自分がいます。
 嫌味っぽいけどジョンを勇気づけたりして、ラニスター家の中では、まともな奴だと思っていたティリオンも不穏な動きを始めるし、うわー続きが気になって仕方がありません。
 もう、単行本買おうかな……