土くれのティターニア

 長編と思いきや、「きみは闇を狩って」、「鳥と獣の集う場所」、「声は響いて」、「秘密は封じて、胸の中」、「虹の下には」の5編からなる短編集でした。
 人の魂を食す『マガツモノ』を退治するという内容にしては、特に恐怖を感じることはないですし、やけにほのぼのしているなあという印象の作品。まあ、前作のポストガールもほのぼのとする話でしたし、芸風というのは、そう簡単に変わらないものなのでしょうか?
 最近、主人公は平凡な人間で、ヒロインが異能者という話が多いですけど、御多分に漏れず、今作も主人公は平凡、ヒロインは異能者という設定です。ただ、主人公に強大な力を持った精霊が憑いているという点では、他の作品と違うのでしょうけど、ヒロインが主人公に憑いている精霊だけをあてにしてるのが今作の悲しいところ。カカシ扱いされた主人公に同情します。
 これからどういった展開が待っているかは分かりませんが、ドロドロとしたシーンはなかったですし、異能系の話の中でも明るい雰囲気の作品になっていくような感じがします。
 とりあえず、次巻も買ってみようと思います。