お留守バンシー(2)
- 作者: 小河正岳,戸部淑
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/05/10
- メディア: 文庫
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えーと、普通でした。お留守バンシーの感想を見て回っていたときに、「インパクトがない」、「物足りない」等のコメントを見かける事が多かった気がしますが、この巻を読んで僕も物足りないと思ってしまいました。
それはアリア達の物語には城しか存在しないからだと思います。
アリアはブラド卿に城の留守をまかされているわけですから、自分から城の外に出て行く事はありません。そのため、アリア達が活躍する場所は城という一つの場所に固定されてしまいます。
例えば現代風の学園ストーリーなら、休日は街や海に出かけたりと、登場人物が活躍する場所にバリエーションをつけることでマンネリ化を防いでいます。
実際、留守番映画「ホーム・アローン2」では、活躍の場を主人公ケビンの家から、旅行先のニューヨークに大きく変化させています。これによって視聴者は、勝手を知らない土地で泥棒と再会したケビンに一体何が起こるのだろうと関心を持ちます。
でも、お留守バンシーは場所が変化しないため、城に来訪者がやって来ないと話が成立しないという事が分かってしまっているので、話を少し読んだだけで既視感を感じてしまったのです。
今回は、アリアを強引な性格にさせることで話を作っていましたが、結局来訪者の登場によって物語がスタートする展開は変えられず、新キャラの魅せも弱かったような気がします。台詞にもところどころ小ネタをしこんでいましたが、それでも普通にしか感じませんでした。
前回は、ほのぼのとした雰囲気が楽しめた本だったので続いて欲しいですけど、買い続けるかは次の巻次第だと思います。でも、このシリーズは長く続きそうにないなあ。
イルザリアがさらわれてくれれば、あるいは。