骨牌使いの鏡(1)

 単行本で出版されていた作品を文庫化した五代ゆう氏の作品。

 僕が初めて読んだ五代氏の作品は、パラケルススの娘ですが、パラケルススの娘とはずいぶん違った印象を受けました。
 骨牌使いの方が、凄く世界設定を凝っている感じがしますし、登場人物達の心情もしっかりと書いている気がします。
 主人公のアトリがよく見る夢とか、<異言者>、<王>の存在などの謎に興味がわきましたし、息をつく間もあまりなく進んでいく展開は読んでいて、ハラハラするものがありました。
 今巻では、アトリが何故狙われるのか、そしてアトリを連れ出したロナーの正体を少し垣間見る事ができましたが、2巻は一体どのようになっているのでしょうか。気になります。
 6月に2巻、9月に3巻が発売されるようですが、久しぶりにファンタジー小説を読みたい人にはかなりお勧めできる一冊でした。