オオカミさんと傘地蔵さんの恋


 あとがきに「これでいつでもシリーズを終わらせられる感じなのでほっと一安心です」と書かれているように、この巻は涼子とりんごの出会い、涼子が他人を寄せ付けなくなった理由など、涼子たちの過去を掘り下げた巻でした。
 それほどシリアスだったわけではありませんが、涼子の過去が絡んだ話が目立っていた分、コメディは前巻よりも抑え気味だったように感じます。でも、作者さんのツッコミはいつも以上に冴えていましたし、笑える箇所も多かったです。特に涼子と亮士くんが絡んだ地蔵さんの話は面白かったなあ。エロ本、シャワー、ダブルデートという展開は笑えました。あと、りんごと携帯電話で話しているときの亮士くんと、人前にいるときの亮士くんのギャップが違いすぎて笑えます。最後は、亮士くんのカッコイイ台詞で締めるといういつも通りの展開でしたが、亮士くんもようやくラスボスと対峙したことですし、次巻から亮士くんと涼子の関係がどうなっていくのか楽しみです。
 本当は四巻で終わらせる予定だったそうですが、続きが出るということは順調に売れているということなのでしょうか? マンネリ化によって話がぐだぐだになるのは嫌ですが、魔女さんや頭取、アリスなど、まだあまり活躍していないキャラがいるので、当分の間は安心できそうです。
 次も期待して待っていたいと思います。